Interview
先輩移住者の声
新規就農者
ナス1個農家から置賜地域 No.1 農家を目指して
藤川直亮さん、陽子さん、大輝君、美咲さん
東京都出身/飯豊町に移住し就農3年目。5人家族。
感じたご縁と野菜へのポテンシャル
——飯豊町を選んだ理由は何でしたか?
藤川さん:飯豊町との出会いは、農業人フェアへ参加したことです。フェアなどを通じて声をかけられた所へは、北から南までたくさん行きました。その中でも飯豊町は他の町とすべてが違いました。ポテンシャルの高さと空気感、人、町役場の対応。総合的に考え、家族で多数決をした結果、満場一致で飯豊町になりました。
自分の可能性に蓋をしてはいけない
——農業を始めようと思ったきっかけを教えてください
藤川さん:移住前は青果市場で仲卸の仕事をしていました。青果物を扱う仕事の中で、農業の可能性と面白さに憧れを持つようになりましたが、当時は新規就農には莫大な資金が必要だったため、なかなか一歩を踏み出せずにいました。
その後、仏具やお線香を扱う職場で働いていた時、とてもお世話になったお寺の先生から言われたのが「自分が働けるのは限りがある。新しい自分の可能性を見つけなければいけない。自分の可能性に蓋をしたら人として進歩が無くなる」という言葉。それが心に残り、もともとあった「農業をやりたい」という気持ちが再燃し、農業をはじめました。
人として当たり前に暮らせる普通
——飯豊町の魅力を教えてください
藤川さん:人として幸せを感じるためにはしっかり生きるステージが整っていることが重要だと思います。寝ることができて、食べることができる。それを与えてくれるのは、地球の恩恵。やはり四季を感じることができるのは重要です。寒さがあるから暖かさがある。寒暖差があるからおいしいものができて、それによって私の家族は食べていけるのだと思います。街灯もないので、子供は暗くなったら家に帰ってくる。人としての判断力が重要になってくる時代に飯豊町ではそれを培うことができます。人として当たり前の生活ができることが飯豊町の魅力です。
仕事ではなく“生きているだけ”
——農業のお仕事は大変ですか?
藤川さん:1日8時間労働で計算すると、自分の場合は1年で約500日働いていることになるらしいのですが、正直働いている感覚がありません。日が昇ったら働き、日が沈んだら寝るという当たり前の生活を送っているだけです。私はたくさんのお金を持っていることが裕福とは思わない人間。雪の中に埋まって甘味を増したキャベツを掘り起こして食べたほうが、よっぽど幸せを感じます。やりたいことをやっているので、疲れの質が違う。精神的には常に満たされた状態です。
新規就農者の挑戦を支えてくれる
——飯豊町で農業を始めてみていかがでしたか?
藤川さん:「飯豊町は自分たちの挑戦を支えてくれる。誰もさげすんだり、非難したりしない。生かしてくれる町」だと、私と同じように新規就農で飯豊に来た人は口をそろえて言います。少し考え方が古いかな、と思う時もあるけれど、例えば自分がやっているような新しいやり方に興味を持って、「教えてくれ」と言ってくる先輩農家や酪農家の方もいる。古い考え方から新しいものを導き出していくような「温故知新」をできるところだと思います。
新規就農者の挑戦を支えてくれるいいでファーマーズ
藤川さん:いいでファーマーズという出荷組合を作っています。 9 割が新規就農者で構成されているいいでファーマーズでは、お互いに知恵や技術を教え合ったりしています。
「Go for it」ここは頑張る人、チャレンジする人を応援してくれる町。まずは来てみたらいいよ。